F Fambook Fambook を入手

親への仕送りと介護のお金を、家計簿にどう書くか

毎月の仕送り、突発の立て替え、きょうだいでの分担、そして介護が始まってからの支出。金額の性質がばらばらなので、一つの費目に入れると年末に何も読み取れなくなります。

このお金は、家計簿の中でいちばん記録されにくい部類に入ります。理由はいくつも重なっています。現金で渡すことが多く、領収書が出ない。金額が月によってばらばらで、費目としてまとめにくい。きょうだいで分けている場合は、自分が出した額と家として負担した額が違う。そして何より、これを記録するという発想自体に、少し気が引けるところがあります。

それでも書いておく価値があるのは、この支出が長期にわたるからです。数年続くお金は、月単位で見ていると規模が分かりません。年に一度、合計を見られる状態にしておくだけで、判断できることがいくつか増えます。

ここでは金額をどうすべきかという話はしません。家庭ごとに事情がまったく違いますし、それは家計簿が答える問いではありません。書き方の話だけをします。

まず、四つに分ける

一つの費目に全部入れてしまうと、年末に合計は出ますが、その中身が読めません。性質の違う四種類が混ざっているからです。

費目を四つに割るところまでしなくても構いません。一つの費目にしておいて、メモにどれなのかを一言入れておく形でも、あとから拾えます。大事なのは、年末に見たときにこの四つが区別できることです。

区別が効くのは、来年の見積もりを立てるときです。定期の仕送りは予定に入れられます。医療と介護は、月ごとにばらついても年で見るとある程度の幅に収まります。臨時の立て替えだけは読めないので、これは予定に入れるものではなく、備えの側で考えることになります。三つを分けずに合計だけ見ていると、この区別ができません。

きょうだいで分担しているとき

分担がある場合、記録すべき数字が二つに増えます。家として実際に出した額と、いったん立て替えて後で戻ってきた額です。

ここは統合の話と同じ原則で処理できます。家の外に出た時点で支出として書き、きょうだいから戻ってきた分は収入として書く。そして、この二つを相殺した数字だけを書くことはしない。

相殺しないほうがよい理由は、規模が見えなくなるからです。年に三回立て替えて全部戻ってきた年と、一度も立て替えなかった年が、相殺した記録では同じに見えます。実際には、前者の年には家の口座から何度もまとまった額が出ていて、戻ってくるまでのあいだ、家の現金はそのぶん薄くなっていました。家計にとってはこれが現実です。

もう一つ、戻ってこなかった分の把握にも効きます。立て替えは、たいてい全部が精算されるわけではありません。何となく流れた分が年に何件かある。相殺して書いていると、この差は帳簿のどこにも現れません。分けて書いておけば、支出の合計と収入の合計の差が、そのまま家が負担した額になります。

金額の分け方について家族で話すときにも、この形の記録は使えます。誰がどれだけ出したかという話になったとき、記憶ではなく行で話せるからです。話を穏やかに保つのは、記録の正確さよりも話し方のほうですが、材料が食い違っている状態で穏やかに話すのは難しい。

支出なのか、家庭内の移動なのか

これはよく引っかかるところです。親に渡したお金は、家計から出ていったお金なのか、それとも同じ家族の中で場所を移しただけなのか。

実務的な線の引き方は、生計が別かどうかです。別の家計として暮らしている親に渡したお金は、こちらの家計からは出ていっています。だから支出です。同居していて、家計が一つになっているなら、そのやりとりは家の中の移動なので、支出として書くと合計が水増しされます。

同居していても財布は別、という場合が実際には多い。そのときは、家の帳簿がどこまでを対象にしているかで決まります。二世帯ぶんの支出を一冊で見ているなら、渡した分は移動です。自分たちの家計だけを見ているなら、渡した分は支出です。どちらかに決めて、途中で変えないことのほうが大事です。

途中で状況が変わることもあります。別居から同居に変わる、あるいは介護のために家計を一つにする。そのときは、切り替えの日を月初か締め日に合わせて、変えた日をメモに残しておいてください。半年後に月別の数字を見て、なぜここから支出が跳ねているのかを考えることになります。

メモに何を残すか

この費目は、金額だけを書いても後でほとんど使えません。三つ残しておくと、翌年の見積もりにも、家族での話し合いにも、必要になったときの手続きにも使えます。

  1. 誰のためのお金か。両親のどちらか、あるいは配偶者の側の親か。数年たつと、まとめて見たときの区別がつかなくなります。
  2. 何の費用か。受診、薬、通院の交通費、介護用品、住まいの修繕、生活費の補助。分類まで作らなくても、一言あれば足ります。
  3. 立て替えかどうか。あとで戻ってくる予定があるなら、その旨を書いておく。予定が消えたときにも、消えたことが分かります。

医療に関わる支出については、もう一つ実用的な理由があります。年間の医療費が一定額を超えた場合に、確定申告で医療費控除の対象になる制度が日本にはあり、その対象には通院の交通費など、領収書の出にくいものも含まれる場合があります。ただし、何が対象になるかは状況によって変わり、判断は最終的に税務署や専門家の側にあります。ここで言えるのは制度の存在までで、個別の可否は言えません。それでも、日付と目的と金額が残っていれば、そのときに調べる手間が桁違いに軽くなります。残っていなければ、調べようがありません。

長く続くものとして扱う

このお金の特徴は、始まりははっきりしないのに、いったん始まると数年単位で続くことです。最初の数か月は臨時の支出のように見えていて、気づくと固定費に近い性質を帯びています。

だから、月ごとの数字を追いかけるより、半年か一年に一度、合計を見るほうが向いています。月で見ていると、多かった月と少なかった月に目が行って、傾向が見えません。年で見ると、増えているのか横ばいなのかが分かります。

記録が途切れる時期があっても構いません。介護が本格化した時期に家計簿が薄くなるのは、ごく普通のことです。その期間は生活のほうが優先されていたというだけで、帳簿の空白は、後から見ると当時の状況の記録にもなっています。

よくある質問

親への仕送りは、支出として記録しますか。それとも家庭内の移動ですか。

生計が別かどうかで決まります。別の家計として暮らしている親に渡した分は、こちらの家計から出ていっているので支出です。同居していて財布も一つなら、家の中の移動なので支出として書くと合計が水増しされます。同居でも財布が別の場合は、帳簿がどこまでを対象にしているかで決めて、途中で変えないでください。

きょうだいで分担している費用は、どう書けばいいですか。

家の外に出た時点で支出として一件、戻ってきた分を収入として一件、それぞれ書いてください。相殺した差額だけを書くと、立て替えの規模も、結局戻ってこなかった分も見えなくなります。分けて書いておけば、支出の合計と収入の合計の差が、家が実際に負担した額になります。

仕送りや介護の費用は、一つの費目にまとめてよいですか。

まとめても構いませんが、メモで四つを区別できるようにしておくと後で助かります。定期の仕送り、臨時の立て替え、医療と介護、帰省や同行の費用。この四つは金額の読めやすさが違うので、来年の見積もりを立てるときに扱いが変わります。合計だけだと、その区別ができません。

医療費控除のために、何を残しておけばいいですか。

日付、金額、誰のための費用か、そして何の費用かの四つです。日本には年間の医療費が一定額を超えた場合の医療費控除の制度があり、対象には領収書の出にくい通院の交通費が含まれる場合もあります。ただし何が対象になるかは状況で変わり、判断は税務署や専門家の側にあります。記録が残っていれば調べられますが、なければ調べようがありません。

介護が始まってから記録が続きません。

普通のことです。この時期は生活のほうが優先されるので、帳簿が薄くなります。全部を書こうとせず、まとまった額が出たものだけ、日付と金額とメモ一言で残しておく形に落としてください。細かい分が抜けても、年で見たときの大きさは大きく外れません。

ひと月ためしてみる

Fambook は家族にひとつの共有帳簿を渡します。誰でも数秒で一件書けて、どの記録にも誰が使ったかが残り、ひと月の合計が二か所ではなく一か所にまとまります。圏外でも記録でき、あとから同期します。記録、カテゴリ、予算、統計、CSV の入出力、同期、二人での共有は無料。課金で買えるのは「入力の手間が減ること」だけです。

App Store でダウンロード

関連記事

記事一覧