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二冊に分かれた家計簿を、一冊にまとめる

それぞれが半年つけてきた記録を合わせたい。重なっている期間、二重に入っている支出、そして過去をどこまで持ち込むか。作業の順番を決めておくと、途中で投げ出さずに済みます。

それぞれが自分のやり方で半年ほど記録を続けてきて、そろそろ一つにしたい、という段階があります。きっかけは結婚だったり、子どもが生まれたことだったり、同じ口座から出るお金が増えてきたことだったりします。

この作業は、思っているより時間を食います。理由は件数ではなく、判断の数です。同じ支出が二か所に書かれているのをどうするか、費目名がずれているのをどう寄せるか、そもそも過去をどこまで持ち込むか。一件ずつ考えていると、三時間たっても半分も進みません。

先に方針を四つ決めてしまえば、あとは手を動かすだけになります。順番も含めて、以下がその四つです。

まず、切り替えの日を一つ決める

最初にやるのは統合そのものではなく、いつから一冊になるかを決めることです。この日が決まっていないと、作業をしている最中にも新しい記録が二冊に増え続けます。

日付は、月初かカードの締め日に合わせるのが実際的です。給料日を家計の区切りにしている家庭なら給料日でも構いません。要は、その日を境に明細が分かれる形になっていることです。月の途中を境にすると、その月だけ二つの構造が混ざった記録ができて、来年その月と比べようとしたときに読めなくなります。

切り替え日を決めたら、その日以降はもう新しい帳簿にだけ書きます。過去の統合作業が終わっていなくても構いません。前を向いている記録が止まらないことのほうが、後ろの整理より優先されます。

過去をどこまで持ち込むか

ここがいちばん大きな分かれ道で、そしていちばん力を使わずに済ませられるところでもあります。

過去のデータが役に立つ用途は、実はそう多くありません。年に一度の支出を見積もるとき、生活費の実額を知りたいとき、去年の同じ時期と比べたいとき。この三つくらいです。逆に言えば、この三つに使わない粒度の過去は、移す価値が薄い。

現実的な選択肢は三つあります。

  1. 全部移す。二人ぶんの半年を、一件ずつ新しい帳簿に入れ直す。件数が多いと数時間では終わりませんし、途中で飽きたところから精度が落ちます。
  2. 月ごとの合計だけを移す。各月について、費目ごとの合計を一件ずつ入れる。年に一度の支出の見積もりにも、生活費の実額を知るのにも、この粒度で足ります。
  3. 移さない。古い記録は読み取り用に残しておいて、新しい帳簿は切り替え日から始める。一年たてば、比べる相手は新しい帳簿の中にできます。

二番目を選ぶ家庭が多いのは、労力と得られるものの釣り合いが取れているからです。細かい一件ずつが必要になる場面は、実際にはほとんど来ません。

一つだけ例外があるとすれば、家電や家具のような大きな買い物と、保険や車検のような年に一度の支払いです。これらは日付と金額を個別に残しておくと、保証の期限や次の支払い時期を思い出すのに使えます。数は多くないので、手で拾っても十分です。

重なっている期間を、二重に数えない

統合でいちばん事故が起きるのがここです。二人が別々に書いていた期間には、同じ支出が二か所に載っている可能性があります。

二重計上が生まれる典型は三つです。片方が家族の食材を買い、もう片方も同じ買い物を家の支出として記録していた場合。立て替えた側が支出として書き、精算を受け取った側も支出として書いた場合。そして、共同の口座から出た支払いを、両方が自分の帳簿に写していた場合。

見つけ方は、金額での突き合わせがいちばん早い。同じ日付か前後一日で、同じ金額の行が二つあれば、まず疑って構いません。ただし食料品のように、たまたま近い金額が並ぶ費目もあるので、疑ったあとは店名か内容で確認します。

精算の行については、統合の前に方針を決めておいてください。家の外にお金が出た時点で一度だけ支出として書き、二人のあいだのやりとりは支出にも収入にもしない。この形に寄せると、統合したあとの合計が実際に家から出ていった額と一致します。精算を支出として残したまま統合すると、同じお金が二度出ていったように見えます。

費目名を寄せる

二人が別々に作った費目は、必ずずれています。片方は食費と外食を分けていて、もう片方は全部まとめて食費にしている。片方は日用品という費目を持っていて、もう片方は雑費に入れている。

寄せ方の原則は、粗いほうに合わせることです。細かいほうに合わせようとすると、粗く書かれていた過去を一件ずつ振り分ける作業が発生します。これは判断の連続なので、いちばん疲れる作業になり、しかも振り分けの正確さは記憶に依存します。

新しい帳簿の第一階層は五つか六つで足ります。細分化は、あとから必要になったときに追加すれば済む。逆に、最初から二十個の費目を用意しておくと、統合作業のあいだじゅう、一件ごとにどれに入れるかを考えることになります。

そして、どちらかの費目名が片方にとって使いにくいなら、両方とも捨てて新しい名前にするほうが早い。自分が作った分類を残そうとする気持ちは、家計簿の作業の中でいちばん割に合わない執着です。

統合したあとに、必ず一度ずれる

作業が終わって最初の一か月は、たいてい記録が乱れます。書く人が変わったり、費目名が変わったり、どちらの口座から出したかを確認する回数が増えたりするからです。

乱れるのは正常なので、その月の数字を見て「統合は失敗だった」と判断しないほうがよい。判断するなら三か月目です。三か月目になると費目の迷いが減り、固定費の置き場所も落ち着き、月の合計が意味のある数字になります。

最後に一つ。統合の作業中に古い記録を削除しないでおいてください。どこかで数字が合わなくなったとき、元を見られるかどうかで手間が桁違いに変わります。使わなくなってから消しても遅くありません。

よくある質問

二人ぶんの過去の記録は、全部移したほうがいいですか。

月ごと、費目ごとの合計だけを移す形で足りることが多いです。過去データが実際に使われるのは、年に一度の支出の見積もり、生活費の実額の把握、去年の同時期との比較の三つくらいで、どれも合計の粒度で成立します。ただし家電や保険のような大きな一件だけは、日付と金額を個別に残しておくと後から役に立ちます。

同じ支出が二重に入っていないか、どう確認しますか。

重なっている期間について、同じ日付か前後一日で同じ金額の行を探すのがいちばん早いです。立て替えと精算のまわり、共同の口座から出た支払い、家族の食材の買い物の三か所に集中します。金額が近いだけの偶然もあるので、疑わしい行は店名か内容まで見て確認してください。

費目名がばらばらです。どちらに合わせればいいですか。

粗いほうに合わせるのが楽です。細かいほうに合わせると、まとめて書かれていた過去を一件ずつ振り分ける作業が発生し、記憶に頼る判断が延々と続きます。新しい第一階層は五つか六つに絞って、細分化は必要になってから足すほうが、統合そのものが終わります。

いつから一冊にすればいいですか。

月初かカードの締め日を境にすると、明細がきれいに分かれて後から読めます。統合作業が終わっていなくても、その日から新しいほうにだけ書き始めて構いません。過去の整理を待っていると、待っているあいだの記録がまた二冊に増えていきます。

統合したのに数字が落ち着きません。

最初の一、二か月は乱れるのが普通です。書く人も費目名も口座も同時に変わっているので、迷いが多くなります。判断するなら三か月目の数字にしてください。それまでは、古い記録を消さずに残しておくと、合わない箇所を追えます。

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